0:25 MIT SDM Alum Session #2 告知、2:27 Haier概要、6:48 Haierの歴史とZhang Ruiminの経営手腕、13:13 User-centricな組織への変革、17:30 IncubatorとしてのHaier、23:44 STAR Analysis、37:53 他企業が学べること
※1.5倍速等早送りで聴くことをお勧めします。
【2021年1月23日午前10時開催 無料 事前登録制】MIT SDM Alum Session #2
MIT卒業生である、文部科学省で核融合・原子力国際を担当されている加々美さんと、JR東海でテキサス高速鉄道プロジェクトを担当されている日出間さんに、Technology x Managementのキャリアストーリーをお話いただくWebinarを開催いたします。以下より詳細確認できます、ぜひご登録ください!
MIT SDM Alum Session #2:https://steppfunction.com/2020/12/28/mit-sdm-alum-session-2/
Learning objectives
- 戦略的組織設計:Strategyに対してStructure、Processes、People、Rewardsをアラインさせることが重要
- Incubationではresourceのサポートに加えて、profit-sharingなどwin-win valueをもたらす仕組みが肝要
Haier概要
- Haier Group、Annual Report他 2019
- ターゲットマーケット:家電、コンシューマーエレクトロニクス
- 売上 RBM 200B = 3.2兆円、利益 RBM 8.2B = 1300億円(4%)、海外売上 22%、従業員数 約100,000(2019)。
- 2011年 SANYOの洗濯機と冷蔵庫部門買収。
- 日本ではHaierに加えてAQUAというブランドも。
- 日本で業務用洗濯機のシェア約70%。
- 2016年 GEの家電部門買収。$5.6B = 6000億円
- 2012年から継続する組織構造変化がとても興味深い。
Haierの歴史とZhang Ruiminの経営手腕
- Zhang Ruimin 張瑞敏:現在Haier GroupのChairman & CEO。いくつものleadership awardsを受賞。2016年には中国人business leaderで唯一、Yale School of ManagementのLegend in Leadership Awardを受賞。
- 1984年に倒産寸前の冷蔵庫製造会社を買収。
- Quality重視のbrand戦略。
- 個人のperformanceへの責任+良い製品・サービスの提供+顧客志向、の文化を醸成。1991年には冷蔵庫製造業界のトップに。
- 1991年にHaier Groupへ改名。
- ビジネスを多角化。赤字企業の買収を通じて洗濯機やTVなど他の家電へ参入。
- 買収時には、投資や新技術導入ではなく、マネジメント philosophyと企業文化を導入。
- Qualityが業界スタンダードになってきたらgood serviceで差別化。
- 1990年代末にglobal市場へ参入開始。
- 発展途上国ではなく先進国に先に参入してブランド確立を狙う。
- Niche productsでpenetrationしメインストリームへ
- 2005年 Rendanheyi Model(人单合一)を導入。顧客ニーズへの即時応答を!
- 2012年以降組織構造を大きく変革。従来のhierarchyからnetwork型へ。
- もっとも最近の構造:Haierは起業家プラットフォーム、micro-enterprisesをincubation
User-centricな組織への変革
- 動機
- 現状:大企業病。深い階層構造、サイロ化。
- 戦略:Digital ageで生き残るには、internetを介してagileに顧客訴求する必要あり。遅い動きでは勝てない。
- Core competence:強い家電製造ライン、販売実績。IoTの文脈でSmart Home
- 2005年 Rendanheyi Model(人单合一)を導入。Ren:従業員、Dan:ユーザー、Heyi:繋げる。
- ユーザーニーズへの応答時間を短くして、従業員とユーザーの距離をゼロにしたい!
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=zsfKfWshtiE
- この結果、12000人のmiddle managersを無くした。
Incubator(起業家プラットフォーム)としてのHaier
- Haierは家電、investment & incubation、financeなどのplatformを提供。
- もとのfunctional departmentを引き継ぐ形。
- Platform上に乗っかるmicro-enterprisesが新規ビジネスを開拓
- micro-enterpriseの例として、ゲーミングPC、家内装、モバイルプロジェクタ、ワインセラーなど。またHaier内でのマーケティングプラットフォームなどもある。
- 議論:他企業でも、既存departmentのplatformへの段階的な移行、などによって、特定分野でのincubator化やinnovation志向(顧客との距離を縮める)が可能では。失敗を過度に恐れない企業文化の段階的構築が可能か。
STAR Analysis
- Vision / Strategy
- develop a platform-based business:プラットフォームビジネス
- provide a personalized user experience:顧客志向
- encourage employees to become entrepreneurs:起業家へ
- Structure:Platform + Micro-enterprises
- Platform
- 5産業分野で20以上のプラットフォーム
- 白物家電:冷蔵庫、洗濯機など
- Investment & Incubation:Smart Logistics, Healthcare, …
- Financial Holdings:Finance, trading, investment, …
- Real Estate
- Cultural
- 5産業分野で20以上のプラットフォーム
- Micro-enterprises
- いずれかのプラットフォームを活用して新規ビジネスを開拓する
- Customer-facing:外部顧客向け
- service-and-support:他のmicro-enterprises、外部顧客両方にアプローチ可能
- Platform
- People:大きく以下3つのカテゴリ
- Platform owner:Platformの保有者
- Micro-enterprises owner:Micro-enterpriseの社長。自ら人を雇用する。PlatformのHRにアクセス可能。
- Employees:どのmicro-enterprisesに従事してもよい、自分で決められる(Marketの要素)
- Processes:Autonomous & mutually selective(Marketの要素)
- Platform owner
- Micro-enterpriseのownerを選ぶ。(bidding process、最低限のHierarchyの要素)
- 3か月目標が達成されない場合、micro-enterpriseのownerを辞めさせることができる。
- micro-enterprisesが達成すべき目標、マーケットポジションなどを決める。
- PlatformおよびMicro-enterprises間のprofit-sharingの方法を決める。
- Micro-enterprises owner
- 3つのPrinciples:Self-startup、self-organization、self-motivation。従業員を起業家へ。
- 求められる5つのskills:
- マーケットをかぎ分ける鋭いセンス
- 戦略的思考
- competitiveな製品を開発するcapability
- 優秀なチームを作る人材システムを構築する能力
- 顧客提供価値をベースとした報酬によってチームを動機づける能力
- Platformが決めたperformance targetを達成することが目標。
- Haierの方針とアラインしている限り意思決定は全て自由。雇用、給料も決めてよい。
- VCなど外部から資金を調達してもよい。
- Platform owner
- Rewards
- Platform owner
- Performance evaluationでは、売上・収益だけでなく、micro-enterprisesのincubationがより重視。リソース提供量、成功したmicro-enterprisesの数など。
- Micro-enterprises(中国内のみ、海外はその地域の雇用状況に応じる)
- 給料は自分たちで決めてよい。
- Platformが決めた収益目標を上回った場合は、そのいくらかを更にもらえる。
- 収益目標を達成できなかった場合は最低限の生活費しかもらえない。
- ビジネスが大きくなれば、自社を上場する、もしくはHaierが買い戻す、などの選択肢がある。
- Platform owner
議論:他企業が学べること
- Hierarchyのlayerの数を減らすこと。
- Cannibalismは気にしていなさそう。
- 顧客が求めていてビジネスが成立すればよい、という原点に立ち返っている。
- Micro-enterprisesのecosystem(強者が生き残る)によって担保されている。
- Platform毎に分かれていてownerが管理していることも寄与。
- 人脈やprofit-sharingなど、PlatformとMicro-enterprisesの間のwin-winを促進する仕組み。
EpisodeロゴにUser Local 様 https://textmining1.userlocal.jp/ のテキストマイニング結果を使わせていただきました。
Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.