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3-14 MITが注目する10のブレイクスルーテクノロジ 

MITが毎年発表している10のブレイクスルーテクノロジ。その2022年版の内容を紹介し、いくつかのテクノロジで関連する日本企業を紹介します。

0:16 コロナなど近況報告、2:29 ブレークスルー、4:22 パスワードの終わり、7:20 コロナ変異株追跡、8:40 長持ち畜電池、11:48 タンパク質構造予測AI、14:53 マラリアワクチン、15:58 Proof of Stake、18:24 新型コロナ飲み薬、19:08 実用的な核融合炉、22:48 AIのための合成データ、24:40 炭素除去工場、26:25 11番目として何を選ぶ?

MITが10つのブレイクスルーテクノロジを発表

パスワードの終わり:THE END OF PASSWORDS

  • パスワードは本質的に安全ではない。盗まれる、ブルートフォースで突破されてしまう、などのため。
  • 新しい認証方式によって代替されつつある!顔認証や指紋認証などの生体認証、電子メールやプッシュ通知などの二段階認証。例:Okta、MITではDuo: https://duo.com/

コロナ変異株追跡:COVID VARIANT TRACKING

  • パンデミックはゲノム解読へ前例のない投資をもたらし、世界中でこの種の監視能力を劇的に拡大させました。
  • 監視の強化により、科学者はコロナの蔓延を追跡し、新しい亜種(アルファ、デルタ、オミクロンなど)を迅速に発見して警告することができるようになりました。

「長持ち」蓄電池:A LONG-LASTING GRID BATTERY

  • 再生可能エネルギーを使用していますが、太陽が沈んだり、風が止まったりしたら発電できなくなります。東京の節電要請もそうでしたね。
  • 送電網の運営者は、電気を蓄える方法を必要としている。鉄イオン電池は、他のタイプの蓄電池よりも安価で実用的なものとなりそうです。
  • 私たちが開催したJapan Tech Trek、Innovation Discovery Japanで訪問させていただいた CONNEXX SYSTEMS (https://www.connexxsys.com/) でも鉄イオンを用いた蓄電池を開発されています

タンパク質構造予測AI:AI FOR PROTEIN FOLDING

  • アルファベットの小会社Deep Mindが開発したタンパク質構造を予測するAIが取り上げられています。
  • 私たちの体は、ほとんどすべてのことをタンパク質で行っています。そして、タンパク質がどのように折り畳まれているかによって、その活性が決まります。しかし、タンパク質の構造を解明するには、何ヶ月もかかります。今回、AlphaFold2というAIがこの長年の生物学的パズルを解いたことで、さまざまな病気に対する薬を迅速に設計できるようになるかもしれません。
  • 日本でも Preferred Networks の子会社である Preferred Computational Chemistry が Matlantis (https://matlantis.com/ja/) がAIを用いて原子シミュレーションを高速化し、マテリアルの創出に貢献するサービスを提供しています。

マラリアワクチン:MALARIA VACCINE

  • 2021年10月に初めてマラリアワクチン「RTS,S/AS01」が承認されました。
  • マラリアは年間60万人以上の命を奪い、そのほとんどが5歳以下の子どもたちです。WHOが承認した新しいマラリア・ワクチンは、毎年数十万人の命を救う可能性がある。また、寄生虫感染症に対するワクチンとしては世界初となります。

プルーフ・オブ・ステーク:PROOF OF STAKE

  • ビットコインのような暗号通貨は、膨大な電力を使用します。これは取引の検証方法によるもので、現在ではかなりのコンピューティングパワーを必要とします。ビットコインはProof of Work(PoW)が採用されている。2021年の1年間で100テラワットもの電力を消費したとのこと。これは、フィンランドにおける年間消費電力を上回る規模です。
  • Proof of stakeは、これほど多くのエネルギーを使わずに取引を検証する方法を提供します。PoSではマイニングが必要ありません。イーサリアムは今年中にこのシステムに移行する予定で、エネルギー使用量を99.95%削減するとのこと。普及の重要なイベントだと思います。

新型コロナ飲み薬:A PILL FOR COVID

  • ファイザーのパキロビッドパック。厚生労働省が2月に正式承認しました。

実用的な核融合炉:PRACTICAL FUSION REACTORS

  • 太陽内部で起こっている反応と同じ仕組みを地球上で実現することで、低炭素で放射線量の低いエネルギーを生み出すことができるようになる、期待の技術です。着火と反応維持にエネルギーが必要であり、エネルギー注入を止めるとすぐに反応が止まるため、安全性も高いです。
  • コモンウェルス・フュージョン・システムズ (https://cfs.energy/) などが手がける。ビル・ゲイツらからの多額の資金調達で注目されているベンチャー企業。2030年代初頭までに、この電力を送電網に供給することを計画しています。
  • ケイジも同級生と共にCommonwealth Fusion SystemsのChief Science Officerにインタビューしました。超伝導体の調達先として日本にも飛び回っているとか。
  • 日本でも京大発スタートアップの 京都フュージョニアリング (https://kyotofusioneering.com/) が、炉の設計に特化したビジネスで成長中。

AIのための合成データ:SYNTHETIC DATA FOR AI

  • AIの学習には膨大な量のデータが必要です。しかし、多くの場合、そのデータは乱雑であったり、現実世界のバイアスを反映していたり、含まれる情報にプライバシーに関する懸念があったりします。ある、ナイジェリアのコンピュータビジョンの研究者は、アフリカの服のデータセットがないことを指摘しました。
  • こうした問題を回避するために、合成データを作成・販売する企業も出始めています。AIで学習用のデータセットを作る合成データセット(本物と同じ程度の統計的な特性があるようなサンプル)。完璧ではないが、AIを訓練するためのより良い方法となるかもしれません。

炭素除去工場:A CARBON REMOVAL FACTORY

  • 直接空気回収技術(DAC)。CO2排出量の削減は、気候変動を緩和するための重要なステップ。しかし国連によれば、それだけでは十分ではなく、壊滅的な温暖化を避けるために空気中の二酸化炭素を除去する必要があるとのことです。
  • 世界最大の二酸化炭素除去工場(オルカ)が、2021年9月にアイスランドにオープン。年間最大4000トンのCO2を抽出でき、欧州の約600人のCO2排出量に相当するとのことです。
  • キープレイヤーの一つがスイスのクライムワークス (Climeworks) 。参考記事:空気中のCO2回収でスイスがまた一歩リード

11番目のブレークスルーテクノロジーは?

  • メタバース
  • NFTs: Non-Fungible Tokens
  • AI駆動ロボット
  • Aging Clock
    • 加齢の様々なプロセス(例:細胞老化)と結果(例:死亡リスク)を捉えた生物学的年齢の複合指標。生物学的年齢(分子、細胞、組織、システムの年齢)を推定することができます。

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