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2-27 なぜ言いたいことが伝わらないのか – データを使ったコミュニケーション #1

言いたいことが伝わらないなあ、と思うことはありませんか?うまくグラフを説明し、データに基づいたコミュニケーションを円滑にするためのコツについて話しています。

0:22 Communicating with Data、10:25 お手本、17:20 授業のゴール、19:35 認知負荷とは、25:20 心構え


Communicating with Data (Course # 15.276)

  • MITのビジネススクール(Sloan School of Management)の授業。人気授業の一つ。
    • Sloan Schoolの Business Analytics Certificate 取得のための必須授業。
    • マサトは1年目履修できず、2年目もwaitlist。嘆願書を書いてなんとか履修できた。
  • しっかり伝えられている時と、そうでない時があり、その原因は何だったのか?など、留学前に思っていたプレゼンに関する疑問を解いてくれる授業。

お手本

  • TED Talk: The best stats you’ve ever seen | Hans Rosling (冒頭から5分程度まででOK)
  • 話者はHans Rosling、Factfulnessの著者。
  • 非常に複雑なグラフを説明
    • 2次元のグラフ:ファミリーサイズ (出生率) vs. 寿命
    • バブルチャート:バブルサイズは人口を表現、色分けされている
    • 時間発展をアニメーションで表現
  • グラフ説明後に拍手が起こる!グラフを見る際に方向づけをしているため、視聴者が一緒にインサイトを見つけ、フォローすることができた。

授業のゴール

  • 認知負荷を最小化するグラフデザイン、構造化されたコミュニケーション、プレゼンテーションのデリバリーができるようになること。グラフを説明する際、方向づけを行うことは、この認知負荷を下げることに貢献する。
  • またその背景にある理論や原理・原則を理解すること。
  • 飽きさせないために結論から言うことが推奨されがちだが、データを用いたコミュニケーションの場合は、結論だけを言っても納得されないこともある。

認知負荷とは?

認知心理学の用語。作業記憶の負荷が高く情報を処理しきれない状態を、認知負荷が高い状態と呼ぶ。認知心理学では、コンピューターの情報処理の仕組みになぞらえて人間の認知活動が説明される。

  • 作業記憶:working memory
    • PCのメモリのようなもの
    • 人間の意識的認知活動の中心
    • 容量や情報の保持時間が限られている
  • 長期記憶:long-term memory
    • PCのストレージのようなもの
    • 容量や情報の制限がない
    • 知識を整理・構造化するために構造化されたスキーマに格納される
  • 作業記憶と長期記憶は相互作用する
    • 作業記憶のスキーマは長期記憶に転送され記録される。そうしないと全て初めてに見える
    • 作業記憶の負荷が高く、情報を処理仕切れない状態を、認知負荷が過度であると表現する。

心構え

  • データと向き合うときは大きく分けて二つのモードがある:探索モード (explore) と説明モード (explain)。
    • 探索モード:データから何か見いだせないか試行錯誤している状態
    • 説明モード:データから見いだせたインサイトを伝えようとする状態
  • 探索モードで説明し出すと、説明を聞いている側は話についていけない。説明モードで話すべし。

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