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3-16 AIで天気予報!?

今回は閑話休題。AIで天気予報ができるようになったそうです。DeepMindとUK政府が共同で、直近90分の雨予測 (nowcasting) のアルゴリズムをAIを活用して開発したそうです。

0:15 AIで天気予報!?、8:43 従来技術とその課題、20:55 AIを用いた利点

AIで天気予報!?

今回は閑話休題ということで、MIT Technology Reviewから面白い記事があったのでご紹介します。んとAIで天気予報ができるようになったとのこと。DeepMindがUK政府と共同して、DGMRというAIを用いた予測アルゴリズムを開発し、現在から次の90分間にどこで雨が降るか、を精度よく予測できた、とのことです。

90分という直近の雨の予測は天気予報でも難しい問題の一つだそうです。その直近さを表すべく、通常の予報 forecasting と区別して nowcasting とよばれています。

この論文の結果は、直近5分から90分の間、最大1,536 km x 1,280 kmの範囲で雨の予測結果を評価し、50人以上の専門家により、従来の2方法と比較して89%のケースで精度高く有用と判断された、とのことです。また使用したデータはレーダーのデータ。UKでは1km x 1kmのデータが5分刻みでリリースされているとのこと。

従来技術とその課題

従来技術は大きく二つあります:

  1. Ensemble numerical weather prediction:物理に基づく方程式を数値計算
    • 良い点:物理法則に忠実。パラメタあるものの物理法則に従っており人工的な仮定が少ない。
    • 問題:時間がかかる。短時間では予測結果の精度が悪い。
  2. Probabilistic nowcasting method:アンサンブルで不確定性を評価するが、降雨モデルはradar source termを含む移流方程式で表現
    • 良い点:計算が早い
    • 問題:ストーム発生や激しい降雨などの非線形な降雨現象が捉えられない

気象予報士からみた既存手法の問題

  • 通常のdeep learning systemsだと、時間が経つにつれて降雨場所がボヤっとしてしまい、小さなスケールの天気パターンが不明瞭になってしまう。
  • 既存のlocation-specific アプローチだと、specificなものの間を埋めることが難しい。その結果、広い時空間で整合性を取ったconsistentな予想が難しい。

AIを用いた利点

  • 従来手法(物理法則、それを丸めた方法)よりも精度が良い。レーダーの結果を覚えさせた方が精度がよい。
  • 従来最も難しいと考えられていた非線形な降雨現象をうまくモデル化できている。これにより物理法則のモデル化が不要!
  • 本質的に確率分布を扱うことができるため、現在のレーダーを基にして、全体でconsistentな予報の作成が可能である。

参考文献

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