言いたいことを伝える邪魔をしているのは何か、コミュニケーションの本質に立ち返りながら話しています。
1:07 前回の振り返り、3:27 今回のKeywords、4:13 Encoding & Decoding、11:20 知識の呪い
前回の振り返り
- 認知負荷を下げるようにスライドデザインすることが大事。情報の受け手が処理できないので、話していても伝わっていない。
- 探索モード (explore) と説明モード (explain) を分けて考えること。探索モードのデータ可視化(グラフ)と説明モードのグラフは変えるべき。
- ※前回はこちら: https://steppfunction.com/2021/04/30/2-27-communicating-with-data-1/
今回のKeywords
- Encoding & Decoding:コミュニケーションの本質
- 知識の呪い:コミュニケーションを邪魔するもの。これを念頭に置いて伝え方を考えるべし!
Encoding & Decoding
- コミュニケーションを分解するとEncoding と Decodingに分けられる。
- Encodingとは、話し手が行うもので、
- 複雑な情報を、簡単に、あるいは短く表現すること。
- どのような情報を伝えるかを選択し、情報をどのように視覚的に(グラフでは2次元媒体に)表現するかを決定するプロセス。
- Encodingの意図する意味はひとつ。
- Decodingとは、聞き手が行うもので、
- 複雑な方法で与えられた情報の意味を発見すること。
- 視覚的なインプットを情報に変換するプロセス。
- Decodingは聞き手によって変わるので、意味は一つとは限らない。
- 文化的背景
- 経験
- 慣れている可視化パターン
- など
- コミュニケーションとは、伝える側だけでなく、伝えられる側も含めたプロセスなので、情報を伝える際に話し手は、内容だけでなく、聞き手のことを理解することも大事。
知識の呪い
- 前回お話した、認知負荷を下げることも聞き手のことを考える上で重要な原理ですが、今回、もう一つ重要な原理を紹介します。
- 1990年にスタンフォード大学で知識の呪いに関する実験が行われました。
- 叩き手と聞き手に分かれて曲を当てる
- とても有名な曲(ハッピーバースデイなど)を120曲やって正解は3曲だけ(正答率2.5%)
- 叩き手は50%は正解すると思っていた
- 知識の呪いとは、自分の持っている知識や情報、常識をベースにして話す際に、他者も自分が持っている前提知識を持っているとしてしまうこと。知識を得た後に、得る前の気持ちになれと言ってもなかなか難しいですよね。
- 経営者やリーダーには多くの情報が集まってくる。それをシンプルに伝えようとして、抽象化しすぎると、何が言いたのか伝わらない。
- お客様の喜びを実現する!と言っても、伝えたいことは伝わっていないだろう。
- 知識の呪いを解く方法は、
- スライド全体でストーリーがあること:ヘッドラインだけ読んでも成り立っている
- 各スライドでは具体的なメッセージを持ち、認知負荷が低いようにデザインし、デリバリーする
参考文献
Chip Heath and Dan Heath, The Curse of Knowledge, 2006, https://hbr.org/2006/12/the-curse-of-knowledge.
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