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3-8 世界のSmart Cityの潮流 – 地方都市とSmart City #3

今回は地方都市のsustainability、SmartCityの最終回として、世界でのSmart Cityの潮流について話しています。

2:25 Smart Cityの取り組みの分類、8:26 それぞれのSmart Cityの特徴、17:23 Smart City事例の分類、29:07 Sidewalk Toronto by Alphabet

参考文献:海老原城一、中村彰二朗(アクセンチュア)、Smart City 5.0 地方創生を加速する都市OS、https://www.amazon.co.jp/dp/4295006149/

前回の振り返り

  • 1回目では、地方都市の課題へのアクセンチュアの取り組み方針(Solutionと実行戦略)についてお話しました。
  • 2回目は、会津若松でのスマートシティ計画の構造と具体的な取り組みについてお話しました。
    • 市民にむけて:会津若松+(プラス)
    • 観光客にむけて:デジタルDestination Management Organization
    • 市民、医者+企業にむけて:IoTヘルスケアプラットフォームプロジェクト(デンマーク、スウェーデンのメディコンバレーを参考にした)
  • 会津若松では、市民のニーズに合うものを提供することが重要であり、そのために産官学民連携が鍵、とアクセンチュアが認識。よって協議会+コンソーシアムの構成とした。Big-Tech主導、デベロッパー主導のどちらでもないものを目指した、とのこと。
  • 今回は最終回として、世界でのSmart Cityの潮流を見ていきたいと思います。

Smart Cityの取り組みの分類

  • 従来型:環境、エネルギー問題解決が目的。エネルギーマネジメント、スマートグリッドなど。
  • データ駆動型:デジタル技術活用による市民のQoL向上が目的。自動運転、ロボット、IoT、イノベーションなど。

参考:スーパーシティ構想より抜粋:「AIやビッグデータを活用し、社会のあり方そのものを変えていく都市、「スーパーシティ」。より良い社会の実現を目指し、自動運転、行政手続き、キャッシュレス、遠隔医療、遠隔教育など、暮らしを支える様々な最先端のサービスを実装した「スーパーシティ」の取り組みを進めています。」

それぞれのSmart Cityの特徴

  • 提供価値
    • 従来型:環境にやさしい、快適な空間・サービスの提供
    • データ駆動型:パーソナライズされた空間・サービスを提供、市民の行動変容に寄与
  • プレーヤー
    • 従来型:デベロッパー
    • データ駆動型:異業種からの新規参入。Big-techが存在感
  • マネタイズモデル
    • 従来型:不動産のバリューアップのみ
    • データ駆動型:不動産のバリューアップ、スマートサービス提供による収益、技術・サービスのテストベッド活用による事業創出、データ販売・広告・トランザクションフィー
    • 従来型で他のマネタイズモデルが難しいのは、費用負担をしてまで先進的なスマートサービスの提供を望まない住民が一定数存在するため。

Smart City事例の分類

  • 新規開発型:ゼロベースで街を作る
    • 藤沢サステナブル・スマートタウン by パナソニック。自社工場跡地19 haをsmart cityに。エネルギー、セキュリティ、モビリティ、ウェルネス、コミュニティの5つの高品質なサービスが受けられる。
    • Quayside project in Toronto by Sidewalk Labs (Alphabet傘下)。後述。
  • レトロフィット型:既存都市をスマート化する
    • Amsterdam(オランダ)
      シビックプライドをくすぐる、smart cityへの参加がcoolとの文化醸成に成功。官民連携の共同運営組織Amsterdam Smart Cityが全体統括し200以上ものプロジェクトを管理。シェアリングサービス展開。
    • Smart Kalasatama(フィンランド、ヘルシンキ市)
      埋立地の港湾地区のため住宅、交通インフラがなく、新規開発型に近い。最大の特徴はリビングラボ:住民が居住しながら様々な実験的取組が行える、新ビジネスの実証地として活用。

Sidewalk Toronto by Sidewalk Labs (Alphabet傘下)

  • People First = 人の移動が最適化された街、を目指す。自動運転の実証。新しい公共サービス負担モデルの実証:例えばゴミ廃棄量に応じた従量課金。
  • テストベッドであったQuayside (キーサイド) projectが2020年5月にキャンセル。コロナによる不動産価値の不確定性が増大したため、とのこと。参考:https://medium.com/sidewalk-talk/why-were-no-longer-pursuing-the-quayside-project-and-what-s-next-for-sidewalk-labs-9a61de3fee3a
  • プライバシーの問題に加えて、税金収入のsharing (profit sharing、第5のマネタイズモデル?)、先行する拡大プラン(市側と合意した12 acre =5 haだけでなく800 acre = 320 haのプランを準備)などでToronto市民の一部の間で不信感が募っていた。

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