0:50 組織の問題、2:55 着眼点:Supermind Design、4:30 マサトのideationの経験、9:03 Supermind Design、13:24 6つのDesign Move、23:53 Supermind Design Move
※1.5倍速など早送りで聴かれることをお勧めいたします。
Learning Objectives
- 組織内の問題を解決するために、組織再設計のアイデアを出す方法を学ぶ。
- Supermind Designとは、集合知の観点、知的行動・認知の観点、意思決定を支援するテクノロジの観点で、ideationの方針を分類しframework化したもの。観点が明確なためアイデア共有がスムーズになる。
組織の問題
- 大企業病を克服したい、迅速な意思決定、アジリティをあげたい
- 例えば、ウォーターフォール型開発に適応した組織だとアジャイル開発が難しい。
着眼点:Supermind Design
- Supermind Design:集合知他の観点でideationの方針を分類しframework化したもの。
- Supermind: a group of individuals acting together in ways that seem intelligent (Superminds, p.20, T. Malone, 2018). 知的と思われる振る舞いを共に行っている集団
- Collective intelligence 集合知: the result of groups of individuals acting together in ways that seem intelligent. (同)
マサトのideationの経験:具体+抽象のセットで伝えることが重要
ポストイットを使ったideationを何度か経験したことがあるが、うまくいった印象がない。経験した流れは以下:
- とにかくたくさんアイデアを書く!
- 非常に短時間でアイデアを共有
- グルーピング
- 模造紙に貼って発表する
特に2. のアイデア共有の時間が短いため、いつも他参加者のアイデアを十分に理解できず、また他者にアイデアを伝えきれない。コラボレーションできていないと感じることが多かった。
アイデアを共有できたという状態は、アイデアの価値を即座に理解しそのアイデアを使って新たに発想できる状態に参加者全員がなっていること(参考:Shift:イノベーションの作法、濱口秀司)。他者がアイデアを理解し、そのアイデアを使って二次創作できる状態にまで考え抜くことが重要であり、数を出せばいいということではない。
この状態を実現するため、特にバックグラウンドが異なるメンバ同士のideationの場合、アイデアをシンプルに語ること、そしてアイデア(具体)と切り口・観点(抽象)をセットで伝えることが重要。例えば、アイデアを材料として、グループで創作する際のフレームワークとして、2軸図などで構造化し、バイアスブレイクする。
Supermind Design:組織設計時に使える手段の一つ
- 6つの”design move”で構成され、ideation phaseで使える。
- それぞれが特定のideationの観点を持つ。教授が専門とする、集合知の観点、知的行動・認知の観点、意思決定を支援するテクノロジの観点に基づいて、ideationの観点を分類。
- 利点はメンバが集中して効率的にアイデアを考えやすい。任意の方向にideationするのではなく、カテゴライズされたmove毎にideationの観点が定められているため。
- 企業他との共同研究実績複数あり。
- 例えばTakedaとの共同研究(2020)
- 機械学習を活用してOnline social networksのコミュニケーションパターンを解析し、鬱状態を判断するサービスCareNetを開発。
- Takedaとの共同研究の記事 (MIT News) How to tackle depression in Japan?
- Takeda Superminds Programの概要 (文末にreportあり)
- Augmented Collective Intelligence (reportあり)
- Center for Collective Intelligence, MIT (T. Malone教授が率いる研究センタ)
6つのDesign Move
- Basic design moves
- Zoom in: 一部もしくは一つのタイプに注目する。
- 例:食べ物を売る -> トラックで食べ物を売る
- Zoom out: 対象が一部となる広い問題に注目する。
- 例:物品を売る -> お金を儲ける
- Analogize: 類似する例を基にして新しいアイデアを出す。
- 例:犬の散歩サービスを売る -> 犬の散歩サービスの”Uber”をつくる
- Zoom in: 一部もしくは一つのタイプに注目する。
- Supermind design moves (Zoom inの一種)
- Groupify: 個人でなく集団で行う <- 集合知による意思決定の観点。
- 例:チームリーダーが決める (hierarchy) -> チームメンバの投票で決める (democracy)
- Cognify: 認知プロセスに注目する <- 認知・意思決定の観点
- 例:物品を売る -> 顧客が求めるものを知る(Sense)
- Technify: テクノロジを使う方法に注目する <- テクノロジの観点
- 例:どうやって医師が癌を診断するか -> AIによる画像診断で癌を診断する
- Groupify: 個人でなく集団で行う <- 集合知による意思決定の観点。
Supermind Design Move
Groupify:個人でなく集団による意思決定方法を模索する
- 集団による意思決定方法 (Supermindsの5分類, Superminds, pp.13-14, T. Malone, 2018)
- Hierarchy:トップの決断が下に降りていく
- Democracy:投票で決める
- Market:マッチングの総和で決まる
- Community:共通の規律や評判に基づく、非公式な合意形成で決まる
- Ecosystem:弱肉強食
- Groupify moveの具体例
- チームリーダーが決める (Hierarchy) -> 投票で決める (Democracy)
- HRがプロジェクトにかかわる人を決める (Hierarchy) -> internal marketでマッチングする (Market)
Cognify:知的振る舞い・認知プロセスごとにシステマティックに方法を模索する
- 知的振る舞いの5分類
- Sense:外部環境を知る
- Remember:過去を覚える
- Create:選択肢を作る
- Decide:選択肢の中から一つを選ぶ、意思決定する -> Actする
- Learn:Actから学ぶ lessons learned
- Cognify moveの具体例。問題:ビジネスをする
- Sense: 顧客が求めているものをSenseする
- Remember: 異なるプロダクトを作る方法をRememberする
- Create: 新しいプロダクトを作る
- Decide: いくらにするか決める
- Learn: より良いプロダクトを作ることを学ぶ
Technify:テクノロジによる支援方法を模索する
- 意思決定に関わるテクノロジ
- Tools
- Assistants
- Peers
- Managers
- Technify moveの具体例
- マネジャがタスクを割り振る -> アルゴリズムがタスクを割り振る (Managers)
- チームで意思決定をする -> オンライン投票を用いてチームで意思決定をする (Tools/Assistants)
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